poem 

 

 

 

 


石蕗の花     野菊       愛の忘れ物

涙が止まらない  微風に吹かれて  好きだから

恋の花   雨音  花菖蒲  この胸一杯の幸せを

 

      石蕗の花

 

一、小舟の行き交う港には、潮騒の囁きが

  微笑みの、笛で奏でてくれるよ

  過ぎ去りし、月日を振り返る時

  そこには、母のやさしさがある

  淋しくて、海に向かって、遠く石を投げて

  砂浜を、そっと駆けていたあの頃

  海辺には、石蕗の花が咲いていた

 

 

二、港を見下ろす丘に立つ、二人にも飛ぶ鳥が

  青春の、エールを送ってくれるよ

  流れ行く、時間の谷間の中に

  そこには、母の真心がある

  辛くても、迷わずに手を、さしのべてあげよう

  故郷の、愛の歌で涙も晴れて

  鮮やかな、石蕗の花が揺れている

 

 

三、岩場の続いた入江には、灯台の赤い灯が

  人生の、針路を教えてくれるよ

  走り行く、未来の狭間の中に

  そこには、母の温もりがある

  倒れても、夢が楽しく、腕を取ってくれる

  汗流し、風を受けて見上げる空

  心には、石蕗の花が咲くでしょう

 

 

     野菊

 

一、野に咲く花は、淑やかで

  香りを揺らし、はにかみながら吹かれてる

  踏まれる事もあるでしょう

  折られる事もあるでしょう

  ただ、涙に耐えて咲いている

  あなたに、見つめられても

  私に、語りかけてくれる

  誇らしく、咲いている野菊の花

 

 

二、野に咲く花は、やさしさで

  小さな花を、微風に身を任せてる

  切られる事もあるでしょう

  流れる事もあるでしょう

  ただ、光を浴びて咲いている

  あなたが、話し掛けても

  私に、燃える愛をくれる

  美しく、咲き誇る野菊の花

 

 

三、野に咲く花は、しなやかで

  人目に触れず、しっかりと根をはっている

  打たれる事もあるでしょう

  蹴られる事もあるでしょう

  ただ、力の限り咲いている

  あなたが、通り過ぎても

  私に、思いやりをくれる

  華やかな、色合の野菊の花

 

 

    愛の忘れ物

 

一、降り続く、輝きの中を歩く

  面影を、揺らしながら

  いつも優しかった、そして、私を叱ってくれた

  時を、そっと残して

  もう行ってしまったけれど

  心が遠くなっても、きっと、もっとあなたが

  好きになるでしょう

  ジャスミンの香に包まれて

  探すの、あなたが忘れていった愛を

 

 

二、降り注ぐ、陽炎の中を歩く

  信頼を、求めながら

  いつも楽しかった、そして、私を守ってくれた

  時を、そっと優しく

  もう去ってしまったけれど

  心が離れ過ぎても、もっと、もっとあなたを

  愛するでしょう

  水仙の香に包まれて

  探すの、あなたが忘れていった愛を

 

 

三、降りしきる、囁きの中を歩く

  ささやかな、恋を見つめ

  いつも愉快だった、そして、私に心をくれた

  時を、そっと開いて

  もう返ってこないけれど

  心が去って行っても、きっと、もっとあなたを

  好きになるでしょう

  木蓮の香に包まれて

  探すの、あなたが忘れていった愛を

 

 

     涙が止まらない

 

一、落ちてゆく、花弁のように

  心も枯れて行くようで

  切なさがやって来る

  思いの中を、歩きながら

  楽しい時には、笑顔が溢れ

  悲しくなると、あなたを思い出す

  あの時の優しさで、涙が止まらない

 

 

二、過ぎてゆく、メロディーのように

  心も消えて行くようで

  虚しさがやって来る

  この寂しさを、隠しながら

  嬉しい時には、微笑みだけで

  悲しくなると、あなたを思い出す

  あの時の優しさで、涙が止まらない

 

 

三、流れゆく、あの川のように

  心も落ちて行くようで

  侘しさがやって来る

  せせらぎの日を、信じながら

  愉快な時には、幸せだけで

  悲しくなると、あなたを思い出す

  あの時の優しさで、涙が止まらない

 

 

     微風に吹かれて

 

一、すみれの花は、潮騒に身をもたせ

  けなげに揺れている 

  良く咲いたねと、微笑みかければ

  見つめる二人に

  夢が追い掛けて来る  

  微風に吹かれながら

  何を、囁くのか

  夕焼け空さえも

  優しく変えて行く

 

 

二、吹きゆくままに、タンポポを明日に向け

  そっと飛ばしてみる

  大空高く、笑顔を見せれば

  寄り添う二人に

  愛が訪れて来る

  微風に吹かれながら

  何を、求めるのか

  しけゆく海さえも

  優しく変えて行く

 

 

三、桜の花も、花弁を吹雪くように

  愛さえ散らしてる

  手を取り合って、喜び合えれば

  恋する二人に

  友が歌ってくれる

  微風に吹かれながら

  何を、欲しがるのか

  勇気の音さえも

  優しく変えて行く

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    好きだから

 

一、苺の香りも

  爽やかに包む

  そんな、時の流れの中で

  すべての仕草が

  微笑んでくれている

  恋する憧れを

  胸に秘めて

  好きだから

  愛の風を受け、飛んで行くの

 

 

二、レモンの渋さも

  遠くまで落ちる

  そんな、頬の赤らむ頃に

  あなたの瞳が

  そっと誘ってくれる

  愛せる喜びは

  影と揺れて

  好きだから

  愛の風を受け、凭れてるの

 

 

三、林檎の白さも

  赤色に隠れ

  そんな、秘密めく恋してる

  あなたの笑顔が

  心照らしてくれる

  愛する囁きを

  口で受けて

  好きだから

  愛の風を受け、包まれるの

 

 

     恋の花

 

一、心に咲く花、恋の花

  涙に咲く花、別れ花

  花にも色々あるけれど

  どうせ咲くなら

  咲かせたい、夢の花

  どうせ一度は、散るのなら

  咲かせてみよう、恋の花

 

 

二、目蓋に咲く花、愛の花

  笑顔に咲く花、乱れ花

  花にも様々あるけれど

  どうせ咲くなら

  咲かせたい、出世花

  どうせ一度は、散るのなら

  咲かせてみよう、恋の花

 

 

三、夜空に咲く花、歌の花

  野山に咲く花、尽くし花

  花にも色々あるけれど

  どうせ咲くなら

  咲かせたい、未来花

  どうせ一度は、散るのなら

  咲かせてみよう、恋の花

 

 

    雨音

 

一、昨日見た夢は

  幻化のように、消えてゆき

  悩みさえ

  降る雨が流してくれる

  優しさの雨音が

  心の扉を開き

  いつまでも、いつまでも

  香る花のように

  愛の光りをくれる

 

 

二、今日得た夢は

  波間のように、漂って

  苦しみも

  来る波が歌ってくれる

  打ち寄せる雨音が

  心の扉を叩き

  果てしなく、透き通る

  架かる虹のような

  友の笑顔をくれる

 

 

三、今夜見る夢は

  ネオンのように、華やかで

  悲しみも

  遇う人が包んでくれる

  メロデーの雨音が

  心の扉を壊し

  いつまでも、いつまでも

  閉じる貝のような

  愛の絆をくれる

 

 

     花菖蒲

 

一、今はもう返らぬ日々を

  追い掛けても、あなたは遠い

  梅雨の花が、好きだと言っていたね

  世間の雨に打たれ

  黙ったままで、咲いている

  止まる蝶を、優しく包んでくれた

  花菖蒲、花菖蒲

  あなたは、花菖蒲のような人ですね

 

 

二、青春の夢見た恋を

  振り返っても、憧れ香る

  愛の花は、君だと話してたね

  傷付き露と消えて

  裏切りだけが、咲き乱れ

  落ちる涙を、受け止め愛してくれた

  花菖蒲、花菖蒲

  あなたは、花菖蒲のような人ですね

 

 

三、人生の坂道登り

  耐え忍んでも、下りは見えず

  汗の花を、咲かすと見つめていたね

  いつかは夢と燃えて

  二人で歩き、振り返る

  道の足跡、消さずに勇気をくれた

  花菖蒲、花菖蒲

  あなたは、花菖蒲のような人ですね

 

 

     この胸一杯の幸せを

 

一、もう、私は泣かない

  あなたに貰った

  この胸、一杯の幸せを

  いつまでも、感じていたい 

  目と目が、触れ合うたびに

  過ぎ去った、悲しみが薄れていく

  溢れ来る喜びを、言葉に出来たら

  もっと、もっと、幸せでしょう

 

 

二、もう、一人じゃないのね

  膨らみ弾ける

  この胸、一杯の幸せを

  大空で、包んでみたい

  全てが、微笑みかけて

  嬉しさで、涙さえ頬濡らすよ

  泣いた日の出来事を、支えて行けたら

  もっと、もっと、頼れるでしょう

 

 

三、もう、涙は見せない

  二人で掴んだ

  この胸、一杯の幸せを

  星屑で、溶かしてみたい

  拡がる、お花の香り

  囁いて、暗い夜照らしている

  巡り来る苦しみを、笑顔に変えたら

  もっと、もっと、愛せるでしょう

 

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